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慢性腎臓病(CKD)

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慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病とは、腎臓の組織が数週間から数年をかけて障害を受け、不可逆性の機能不全に陥っている病態です。体内で作られた尿素や窒素などの老廃物は腎臓から排出されるのですが、腎臓の機能不全、つまり腎機能が低下すると十分な排出が行えなくなります。それら老廃物が体内に蓄積した状態を高窒素血症と呼びます。慢性腎臓病の原因の特定は難しいのですが、老齢の動物ほど発生が多くなります。急性腎障害から慢性腎臓病に移行することもめずらしくありません。
症状は、腎臓で水を再吸収して尿を濃縮する能力が低下するため多尿となり、それを補うために水をたくさん飲むようになります。これを多飲多尿といい腎臓病の典型的な症状です。しかし、初期の慢性腎臓病は無症状であることがほとんどで、腎臓の機能の80 %以上が失われてようやく症状が出始めるため、早期の診断は難しい病気です。多飲多尿以外の症状には、元気がない、食欲がない、体重減少、毛のツヤがない、嘔吐、下痢、便秘、口臭、口内炎などが認められます。さらに腎障害の進行とともに、貧血、高血圧、電解質異常を認めることも多く、末期になると痙攣や昏睡がみられることがあります。
診断は、血液検査や尿検査などで行います。慢性腎臓病の原因は特定することが難しいのですが、超音波検査やレントゲン検査を行うことで腫瘍や結石といった原因が判明することもあります。
治療は、点滴治療が中心になり、症状に合わせて食事療法、吸着剤、造血剤、血圧降下剤といった治療を組み合わせて行います。慢性腎臓病では腎臓の濾過量が減少していますので、点滴治療を行うことにより腎臓の血流量を増やし、少しでも濾過量を上げて老廃物が体外へ排出されるよう促します。食事療法はリンやタンパク質の制限を行いますが、その食事を食べてくれることが大前提ですので、上手くいかないケースもあります。造血剤は腎性の貧血が起こっている場合に使用します。腎臓ではエリスロポイエチンという造血ホルモンが産生されていますが、この造血ホルモンの産生能力が低下していると貧血になります。このような腎性の貧血に対しては、エリスロポイエチンの産生低下を補うために、合成のエリスロポイエチン製剤を投与します。抗体の消失までには長時間を必要とするため、事実上治療困難となります。積極的な使用するべき理由がある場合にのみ用います。
血液透析も慢性腎臓病に対する治療の選択のひとつです。慢性腎臓病という概念が確立され、残された腎臓の能力に関して国際的な病期分類がされるようになってきたことで、末期には血液透析による維持療法が治療戦略のひとつとして一般的になりつつあります。ただし、全く機能していない腎臓に対して維持透析を行ったとしても延命できる期間はそれほど長くはありません。数ヶ月がせいぜいでしょう。腎臓に多少の余力があるうちにという考え方が、慢性腎臓病に対する維持透析の治療戦略において重要になります。
また、慢性腎臓病の中期においても、病態の急性増悪が引き起こされることがあり、これは急性腎障害のときと同様に致死的経過をたどることがあります。急性腎障害と異なるのは、発症の原因が急性腎障害のときほど明瞭でないことや、病態の進行が急性腎障害よりも重篤となる場合がある点です。いずれにしても、ここでも救急救命措置として血液透析を実施することになります。
最後に、慢性腎臓病の長期管理においてきわめて重要となる、言い換えると、きちんと長期管理ができた場合に必ず発生する問題についてです。それは低カルシウム血症と、その結果としての上皮小体機能の亢進です。これを腎性二次性上皮小体機能亢進症といいます。これらの病態をきちんと評価または把握し、適切は治療を行うことで、慢性腎臓病の子の生活の質の維持を長期的に期待できるようになります。この腎性二次性上皮小体機能亢進症については項をあらためてお話しします。

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